東京 神奈川 埼玉 千葉 関東の公園、庭園、観光地を紹介しているパークナビ
東京 神奈川 埼玉 千葉 関東の公園、庭園、観光地を紹介しているパークナビ
神楽坂は新宿区の一部でありながら歴史と文化を感じさせてくれる街です。
古くは花街として栄え、近くにフランスの語学学校(アンスティチュ・フランセ東京)があることから、リトルパリとも呼ばれている神楽坂。
メインストリートに立ち並ぶおしゃれな雑貨店やカフェから、一歩路地に入れば歴史を感じる民家や建物まで、神楽坂は散歩の見どころには事欠きません。
この記事では、神楽坂に10年暮らした僕が、神楽坂を観光する方のために、坂道や横丁など、神楽坂の見どころと散歩コースを紹介します。
飲食店や雑貨店などのお店紹介はしていませんが、神楽坂の路地裏歩きには役立つと思います。
神楽坂とは、新宿区のひとつの町の名称です。
神楽坂と言う住所は、JR飯田橋駅の神楽坂下から東京メトロ東西線の神楽坂駅西側までつづく早稲田通り(通称 神楽坂通り)の左右300メートルほどですが、神楽坂駅から大江戸線の牛込神楽坂駅にひろがる新宿区矢来町や、神楽坂通りから北側の目白通りまでの地域も、一般的には神楽坂とみられています。
神楽坂通りと呼ばれているメインストリートの正式名は早稲田通りですが、この記事では神楽坂通りと記載します。
神楽坂は、その名前のとおり坂の多い街です。
飯田橋駅に近い神楽坂下から、神楽坂駅の海抜差は約20メートル。
途中に神楽坂上という名前の交差点がありますが、坂道はその後、東西線の神楽坂駅までつづきます。
神楽坂通りの左右には、歴史や謂れをもった坂がたくさんありますので、坂道を散策するだけでも楽しめます。
まずはメインストリートの神楽坂から。
北は外堀通り(神楽坂下交差点)から、南は大久保通り(神楽坂上交差点)までつづく450メートルの坂道。
坂の名前は、神社の神楽に由来しているようですが、はっきりとはわかっていません。
神楽坂通りは、全国でもめずらしい逆転式一方通行になっていて、深夜0時からお昼の12時は坂上から坂下、12時から深夜0時は坂下から坂上に向けて一通になります。
お昼12時前後が微妙な時間帯で、坂下方向に向けて駐車している車もあれば、坂上方面に走っている車もあります。
通りには朱色の建造物が印象的な神楽坂毘沙門天(正式名称は善國寺)や、創業100年以上ある和菓子屋や瀬戸物屋など、歴史的にも貴重なお店並んでいます。
一方、全国で唯一、ペコちゃん焼きが買える不二家神楽坂店や、コンビニ、コーヒーチェーンなど、若い人向けのお店もたくさんあり、大正時代と現代が混在したような風景を見せてくれます。
続いて神楽坂の北側にある坂を紹介していきます。
江戸時代、現在の神田川は神楽河岸(かぐらがし)と呼ばれ、千葉方面から到着した魚介類やお米を江戸の町に運んでいました。
神楽河岸の名は、現在も新宿区の一つの町名として残っています。
その運び人のことを軽籠(かるこ)と呼び、軽籠が利用したのが軽子坂です。
現在のメインストリートである神楽坂通りから1本北側を、神楽坂通りと並行するように伸びる軽子坂。
江戸時代は軽子坂の周辺は武家の屋敷が立ち並んでいましたが、現在はオフィスビルに囲まれ、週末は人通りも少ないです。
軽子坂をまっすぐ進んでいくと、本多横丁から筑土八幡宮までつながっている三年坂の交差点にでます。
坂と言っても傾斜はほとんどなく裏路地のような景観です。
三年坂とは、転ぶと3年以内に死ぬと言われた場末の坂につけられる名前。
この三年坂の通りも、裏路地らしく静寂な雰囲気が漂っています。
三年坂を北進すると、すぐに筑土八幡神社(つくどはちまんじんじゃ)が見えてきます。
今から約千二百年前に創建された歴史ある神社です。
その筑土八幡神社を囲むように、御殿坂と茶坂があります。
・御殿坂
御殿坂は筑土八幡神社の西側を通る60メートルの緩やかな坂道。
江戸時代、筑土八幡神社の西側は御殿山と呼ばれていたため、この名前が付きました。
・茶坂
別名をゴミ坂と呼ばれている芥坂は、御殿坂とつながっている65メートルの坂道。
江戸から昭和にかけてはゴミ捨て場になっていたためにゴミ坂と呼ばれています。
神楽坂駅の飯田橋寄り出口(1a)から地上に出て左に進み、コンビニの手前を左折すれば、すぐ正面に赤城神社の鳥居が見えてきます。
赤城神社は正安2年(1300年)に創建された歴史ある神社ですが、平成22年の改築によって境内にはカフェもでき、いまではとてもモダンなたたずまいをしています。
赤城神社の横を通っているのが赤城坂。
くねくねとした急坂で道幅も狭い赤城坂は、明治時代に発刊された「新撰東京名所図会」によると、「峻悪にして車通るべからず」と書かれているほど、神楽坂の坂の中でいちばん険しい坂です。
急こう配のため沿道にはお店はほとんどありませんが、赤城神社と併せて歩いてみるのも楽しいと思います。
ここからは神楽坂通りの南側の坂を紹介します。
毘沙門天を正面に見て右手にあるのが地蔵坂。
200メートルほどつづくなだらかな坂の周辺は、1590年まで牛込城というお城が建っていました。
地蔵坂の名前の由来は、坂を登り切った左手にある光照寺の子安地蔵からきています。
都営大江戸線の牛込神楽坂駅のほぼ真上にある袖摺坂は、20段ほどの石段がつづく狭くて短い坂道です。
幅が狭く、行き交う人が袖をすり合わせるように歩いていたので、袖摺坂と呼ばれるようになりました。
袖摺坂を登りきると住所は横寺町。お寺や民家を目にするようになります。
袖摺坂からまっすぐ進み、突き当りを右折すると朝日坂があります。
坂の周辺には龍門寺、圓福寺、正定院寶國寺、長源寺などの寺が集まり、神楽坂の街の中でもひときわ落ち着いた静かな環境です。
坂の近くにかつて泉蔵院という寺があり、その境内にあった朝日天満宮が、坂の名前の由来になっています。
朝日坂の坂上(西側)には、尾崎紅葉の旧居跡や、神楽坂では数少ない児童遊園があります。
あさひ児童公園は、周辺の子どもたちの貴重な遊び場になっています。
以上、神楽坂の坂を10本紹介してきましたが、その他にも瓢箪坂、朧の坂、逢坂、夜寒坂、鉄砲坂、そして胸突坂など、興味をそそる名前の坂があります。
坂道には説明が書かれた標識が立てられていますので、坂道を巡りながら神楽坂の街を歩いてみるのも楽しいと思います。
人通りの多い神楽坂通りから一歩それれば、静寂な和の雰囲気をもつ石畳の路地から、買い物客でにぎわう商店街まで、魅力的な通りが延びています。
ここでは、代表的な神楽坂の横丁を3つ紹介します。
飯田橋方面から神楽坂通りを上がってきて左手にある、点心で有名な五十番の横道を左折すると本多横丁です。
料亭街の雰囲気を残す本多横丁の左右には、老舗の割烹からイタリアンまで、新旧50店ほどのお店が軒を連ねています。
神楽坂観光のブームから、本多横丁は少し観光地化しすぎてきたきらいもありますが、神楽坂観光の締めは本多横丁で一杯、と言うのはいまも定番のコース。
ちなみに、本多横丁は江戸時代は本多修理屋敷脇横町通りと呼ばれていました。
飲食店などはありませんが、歴史に思いをはせながらお散歩が楽しめます。
兵庫横丁の名前は、戦国時代にこの場所に武器庫(兵庫)があったことに由来しています。
テレビドラマのロケ地としてもつかわれています。
左右を黒板塀に囲まれたかくれんぼ横丁は、その名前の通り人目を妨げる狭くて迷路のような小路。
石畳の両側には、古民家や料亭が軒を連ね、運が良ければ芸姑さんの姿も見られます。
神楽坂には2019年現在、17名の芸姑さんがいて、昼間は踊りや楽器の練習、夜は東京都神楽坂組合が運営している料亭で芸を披露しています。
神楽坂観光でしたら、地元の人たちの暮らしが垣間見れる、神楽坂周辺の街にもぜひ足を運んでください。
飯田橋駅方面から神楽坂通りを歩いて行くと、大久保通りと交差する神楽坂上の交差点から、街の風景がガラッとかわります。
神楽坂下から坂上までは繁華街ですが、坂上から神楽坂駅にかけて(神楽坂六丁目)は、地元の人たちが利用する商店街になっていて、通りにはスーパーマーケットをはじめ惣菜店や小間物店などが軒を連ねています。
道を歩いている人も、坂上までの繁華街とは違うことがわかります。
坂上から北西側の神楽坂に隣接する町について紹介します。
神楽坂駅の南側にひろがる矢来町は、神楽坂エリアの中で住んでいる人がいちばん多い町です。
明治から昭和22年までは牛込区と呼ばれていました。
やや高台の台地になっている矢来町は高級住宅地。
高層ビルや賑やかな場所はなく、二階建ての住宅がひしめいているので、歩いていると迷子になりそうなエリアです。
町の中心にある矢来公園は、江戸時代に武家屋敷があった場所。
散歩の途中、一休みするにはもってこいの公園です。
早稲田通りから北側(神楽坂六丁目~白銀町)は低地になっているため、矢来町よりも庶民的な感じのする住宅地がひろがっています。
路地には隠れ家的な雰囲気のする飲食店もポツポツありますが、町全体としては郊外の住宅地のような雰囲気。
神楽坂周辺でいちばん大きい新宿区立白銀公園では、近隣の子どもや、ベンチで寛いでいる周辺住民の姿をいつも目にします。
白銀町の北側(東五軒町、西五軒町)には、文京区にある凸版印刷の下請けをする中小の印刷工場が密集しています。
赤城神社から北へ下っていくと、左手に改代町エリアがひろがります。
神楽坂の案内ではほとんど触れられることのない地域ですが、民家の間を細くてクネクネとした小路が通っている改代町地区もお散歩におすすめの場所のひとつ。
また、水道町の交差点から江戸川橋通りへつづく300メートルの地蔵通り商店街は、下町の雰囲気が漂う住民のお買い物スポット。
コロッケやお団子を頬張りながら、地元の暮らしを見ることができます。
寄席やコンサート、名所旧跡をめぐるスタンプラリーなど、一年中、イベントが行われている神楽坂。
中でも、毎年7月の下旬に実施される神楽坂まつりは、遠くからもたくさんの観光客が訪れるビッグイベントです。
神楽坂通りでは、ほおずき市や縁日、お神楽や太鼓など盛りだくさんの催しが行われますが、中でも阿波踊り大会は神楽坂まつりの目玉。
昭和47年(1972年)からつづいている阿波踊り大会には、金土の二日間で4,000名近い踊り手が出場し、演技を競います。
また、地元の小学生や幼稚園児が出場する子ども阿波踊り大会も人気。
僕は毎年、ビールを片手に沿道に腰掛けて出場者を応援していました。
神楽坂の最新のイベント情報は神楽坂deかぐらむらのページをご覧ください。
神楽坂の魅力を、散歩をテーマに紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
今回は紹介していませんが、神楽坂には魅力的な飲食店や物販店もたくさんありますので、散歩をしながらお買い物や食事をする場所には困りません。
いえ、どこに入るか迷ってしまうほど。
神楽坂は、一度訪れたら、また行きたくなる街です。
・JR総武線「飯田橋駅」西口から、神楽坂下まで徒歩1分
・東京メトロ南北線、有楽町線「飯田橋駅」から、神楽坂下まで徒歩30秒
・都営大江戸線「牛込神楽坂駅」A3出口から、神楽坂上まで徒歩1分
・東京メトロ東西線「神楽坂駅」から地上に出ると神楽坂六丁目です。
神楽坂の街中には、所々に小さなコインパーキングが点在していますが、大型駐車場は飯田橋駅周辺の商業ビルにあります。
・飯田橋セントラルプラザ駐車場
営業時間:7時~23時
料金:30分300円
収容台数:70台
・飯田橋グラン・ブルーム駐車場
営業時間:6時30分~深夜0時
料金:30分400円
収容台数:46台
住所 | 東京都新宿区神楽坂1~6丁目 |
---|---|
公園情報 | |
園内の施設 |